【賃金(給与)】|ベトナム進出後の実務で役立つビジネス用語解説
- k.nuisach

- 3月6日
- 読了時間: 4分

ベトナムの「賃金(給与)」は、基本給・給与手当・その他の追加支給額の3要素で構成されます。日本の給与体系とは異なり、各種手当の占める割合が大きく、その内容も多様です。
特に、社会保険料の算定基礎に含まれる手当と含まれない手当の区分が複雑で、年々その範囲が拡大する傾向にあります。実務では、労働契約書に各項目を明確に記載し、社会保険料の対象範囲を正しく理解した上で給与設計を行うことが、労務リスク管理の鍵となります。
ベトナムにおける賃金の意味・特徴(日本との違い)
ベトナムの給与体系は、労働法および関連法令によって構成要素が定められており、日本のように基本給が給与の大半を占めるケースは稀です。実務上は、以下のような多岐にわたる手当が組み合わされて総支給額が決定されます。
基本給(Lương cơ bản): 賃金テーブルに基づいて決定される、職務や役職に応じた基本的な賃金です。
給与手当(Phụ cấp lương): 職務の複雑さや労働条件、生活環境などを補うための手当です。役職手当、職務手当、言語手当(日本語手当など)がこれに該当し、原則として社会保険料の算定対象となります。
その他の追加支給額: 上記以外の手当や補助を指します。このうち、毎月固定で支払われるものは社会保険料の対象となりますが、福利厚生的な性格を持つ手当は対象外とされる場合があります。
社会保険料の対象範囲が変動する手当
実務上、特に注意が必要なのは社会保険料の対象範囲です。かつては多くの手当が対象外でしたが、法改正によりその範囲は年々拡大しています。
2026年現在、以下の手当は原則として社会保険の対象外とされていますが、これは労働契約書上で賃金項目とは明確に「別枠」で記載されていることが前提です [1]。
昼食手当
通勤手当(ガソリン代含む)
家賃手当
通信手当
しかし、これらの手当を基本給に代わる形で高額に設定し、社会保険料負担を意図的に回避する「賃金分解」と見なされた場合、税務調査や社会保険調査で指摘を受け、過去に遡って保険料を追徴されるリスクがあります。手当の合計額が基本給を大幅に上回るような極端な給与設計は避けるべきです。
試用期間中の給与
試用期間中の従業員に対しては、本採用時と同一職務の基本給の85%以上を支払うことが法律で義務付けられています。ただし、各種手当については、社内規定に基づき満額支給するのが一般的です。
結論
ベトナムにおける給与計算は、単に総支給額を支払うだけでなく、その構成要素を法的に正しく分類し、社会保険料の算定基礎に含めるべき項目を正確に把握することが不可欠です。
特に、社会保険の対象範囲は法改正が頻繁に行われるため、常に最新の情報を確認し、労働契約書や給与テーブルを適切に整備・運用することが、安定した労務管理の基盤となります。
専門家が解説!ベトナム労務の落とし穴
ベトナムの給与体系を考える上で、手当の扱いは非常に重要です。外国語手当や役職手当といった一般的なものから、家賃、交通費、昼食、通信費など、様々な手当が存在します。
ここで注意すべきは、社会保険料の算定対象となる手当の範囲が年々拡大している点です。
以前は非対象だった昼食手当や通勤手当、家賃手当なども、将来的には対象となる可能性があります。常に最新の法令を確認し、社会保険料の計算を誤らないように注意が必要です。
また、手当の額が基本給を大幅に上回るような極端な給与設計は、税務調査などで指摘を受けるリスクがあります。あくまで基本給をベースとし、手当は補助的な位置づけとすることが望ましいでしょう。
ベトナムでは継続的な賃金上昇が企業の大きな課題となっています。特に最低賃金は毎年のように改定され、過去10年で2倍以上に上昇しました。
さらに、一度合意した給与の減額や従業員の降格、解雇は日本以上に困難であるという「三重苦」とも言える状況があります。そのため、採用時の給与設定は極めて慎重に行う必要があり、将来の昇給も見据えた賃金テーブルの設計が不可欠です。

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